GenScript-CRISPR

CRISPR （clustered regularly interspaced short palindromic repeats）とは、反復配列から構成されるクラスター遺伝子領域です。細菌や古細菌がウィルス感染を防ぐために発達させた免疫システムの一つで、大腸菌で初めて特定されました。この原理を利用したCRISPR/Cas9システムとは、ゲノム上の任意の場所でDNA鎖を切断して、配列の削除、置換、挿入をする新しい遺伝子編集技術です。図のように、Cas9酵素はターゲット配列に相補的なガイド RNA (gRNA) と複合体を形成し、ターゲット配列を認識後、PAM配列より上流の二本鎖DNAを切断します。切断されたゲノムDNAが修復・組換えされることを利用して、ノックアウトやノックインを行うことができます。 現在、CRISPR/Cas9のゲノム編集技術は、ヒトやマウスといった哺乳類細胞のほかにも、細菌やゼブラフィッシュなど広範囲な生物種において、広く利用されています。

精製したCas9酵素とgRNAを用いて、細胞またはプロトプラストに直接トランスフェクトすることにより、DNAフリーの遺伝子編集を行うことができます。大腸菌から精製された化膿連鎖球菌Cas9タンパク質であるGenCrisprTMCas9ヌクレアーゼは、ゲノム編集において、二本鎖DNAの部位特異的二本鎖切断を引き起こす役割があります。Cas9タンパク質は、CRISPR / Cas9システムのガイドRNA（gRNA）と非常に安定したリボ核タンパク質（RNP）複合体を形成します。RNP複合体は、標的部位であるgRNAに相補的なゲノムDNA配列を認識し、NGG PAM（Protospacer Adjacent Motif）配列から3塩基以内のDNAを切断します。Cas9酵素に融合した核局在化シグナル（NLS）は核局在化を確実にします。

GenCrispr 遺伝子編集技術は、Broad 研究所よりライセンスを受けています。全てのGenCrispr Cas9ヌクレアーゼ活性は、in vitroまたはin vivoアッセイによって検証されています。

• 高純度 (SDS-PAGE により >95%)
• 低い内毒素 (ゲル・クロット法にて<0.1EU/μg）
• 高効率のIn vitro 遺伝子編集

gRNAを迅速、かつ高効率にクローニングできるCas9-gRNAプラスミドアセンブリキットです。gRNA挿入部位に自殺レポーター遺伝子が組み込まれているので、自殺レポーター選択法により、 ほぼ100％のクローンが陽性を示します。線状プラスミド (Cat. No. L00690またはCat. No. L00691)および環状プラスミド (Cat. No. L00692, またはCat. No. L00693) をお選びいただけます。線状プラスミドを用いた場合、制限酵素による消化と精製工程を省くことができ、より短時間で目的のクローンを得ることができます。環状プラスミドは、増殖用にご使用ください。GFP蛍光レポーターは、自己切断ペプチド２Aを介して融合されており、Cas9とは別に発現されるため、最大限のCas9活性が実現されます。

GenCrispr gRNA合成キットを用いて、独自のgRNAを合成することができます。このキットには、テンプレートDNAとT7が含まれます。特定のDNAオリゴのみで、標的DNAに特異的なgRNAが作れます。

gRNAを細胞に導入する前に、最も効率的なターゲットgRNAを選択することで、時間と労力の節約をはかることができます。GenCrisprgRNAスクリーニングキットは、in vitro 切断アッセイを用いて、最も効率的な標的gRNAを素早く同定します。

T7E1（T7エンドヌクレアーゼI: Cat. No. Z03396) とゲノム切断検出キット（Cat. No. L00688）により、簡易にゲノム切断効率を検証できます。

• 簡単 - DNAポリメラーゼにより、直接PCR増幅することが可能
• 高効率 - 競合的酵素切断活性により、高い効率を示す
• 迅速 - 簡単なワークフロー

CRISPR / Cas9システムにおいて、Cas9特異的抗体は、広領域の研究分野で活用されている化膿連鎖球菌（SpCas9）由来のCas9酵素発現を確認するための最適なツールです。

アプリケーション

• ウェスタンブロッティング
• FACS
• ELISA
• IHC

PX458（FnCpf1（BB）-2A-GFP）をトランスフェクトしたHelaまたはトランスフェクトされていない細胞ライセートのウエスタンブロット解析：

• ノビシダU112 Cpf1タンパク質
• コーティング抗原：FnCpf1、1μg/mL
• FnCpf1 抗体の希釈は１０００ng/mLより、EC50 ＝ 4.179 ng/mL