CAR-T細胞治療とは
CAR-T細胞療法とは、患者のT細胞を分離後に遺伝子操作を施して、キメラ抗原受容体(CAR)を発現させる免疫療法の一種です。遺伝子操作されたT細胞はCD19、BCMAおよびCD20など、がんに特異的な抗原を認識できるようになり、増殖後、患者の体内に戻されます。フローサイトメトリーによるCAR +%アッセイは、CAR-T細胞を患者に注入する前に必須な手法です。一般的に、CAR +%検出において、標的タンパク質が検出試薬として使用されます。Sino Biological社は、現在、研究対象となっている広範囲のCAR-T細胞療法における標的タンパク質を網羅すべく、6000以上の組み換えタンパク質の開発に成功しました。ビオチン標識および蛍光標識により、実験手順も簡略化することができます。組み換えタンパク質の高純度および高結合活性は、評価の高い文献においても立証されています。Sino Biological 社のCAR-T細胞療法標的タンパク質は、全てのがん研究をサポートします。
CAR-T細胞療法の標的タンパク質の特徴
- 6000以上のCAR-T細胞療法に関する標的タンパク質
- ビオチン標識、または蛍光標識タンパク質の選択が可能
- 低い内毒素 (LAL法にて<1EU/μg)
高純度タンパク質 > 95% (SDS-PAGE)
純度> 95%のヒトBCMAタンパク質 (ECD, Fc Tag: Cat. No. 10620-H38H)
純度> 99%のヒトMesothelinタンパク質 (Fc Tag: Cat. No. 13128-H02H)
検証された高い結合力
CD19-CARをトランスフェクションした293細胞における、FITC-CD19タンパク質 (Cat No. 11880-H08H-F) のフローサイトメトリー解析
bFGFタンパク質に対するヒトGPC3ビオチン化タンパク質 (Cat No. 10777-H08H-B) とヒトGPC3タンパク質 (Cat No. 10777-H08H) のELISAによる結合アッセイ
固形腫瘍標的タンパク質 (Solid Tumor Targets)
固形腫瘍に関連する抗原は、正常組織において低レベルで発現されています。また、同じ患者の同じ腫瘍細胞においても、異なる腫瘍関連抗原を発現をするなど、固形腫瘍は不均一性を示すことが知られています。 よって、固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法をする上で、適切な標的タンパク質を選択することは、重大な課題となっています。
以下、一部の取り扱い商品です(品番は標識などによって変わってきます)
商品 |
発現ホスト |
がんのタイプ |
---|---|---|
CEACAM5 |
ヒト細胞 |
さまざまな固形腫瘍 |
MET | ヒト細胞 |
乳がん |
EGFR |
ヒト細胞/昆虫細胞 |
大腸がん、進行EGFR陽性固形腫瘍 |
EGFRvIII |
昆虫細胞 |
グリオブラストーマ |
EPCAM |
ヒト細胞 |
肝癌、胃がん |
EPHA2 |
ヒト細胞 |
悪性グリオーマ |
ERBB2 |
ヒト細胞 |
さまざまな固形腫瘍 |
GPC3 |
ヒト細胞 |
肝細胞癌、扁平上皮肺癌 |
MSLN |
ヒト細胞 |
中皮腫、膵臓がん、卵巣がん |
Muc1 |
ヒト細胞 |
肝細胞癌、非小細胞肺癌、膵臓 がん、乳がん |
造血器悪性腫瘍標的タンパク質 (Hematologic Cancer Targets)
CD19はCAR-T細胞療法において、最も広く使用されている造血器悪性腫瘍の標的タンパク質です。また、CD19を標的としたCAR-T細胞は、B-ALL、CLL、FL、DLBCLおよびMCLなどの造血器悪性腫瘍における臨床試験で、高い効果が示されています。CD19に加え、CD19陰性血液悪性腫瘍の研究では、CD20、CD22、CD30、IL3RAなどの分子も注目されています。 Sino Biological社は、 T細胞におけるCAR発現を検出するために、さまざまな種類の造血器悪性腫瘍標的タンパク質を取り揃えております。
以下、一部の取り扱い商品です(品番は標識などによって変わってきます)
商品 |
別名 |
発現ホスト |
がんのタイプ |
---|---|---|---|
TNFRSF17 |
BCMA |
ヒト細胞 |
多発性骨髄腫 |
IL3RA | CD123 |
ヒト細胞 |
骨髄性悪性腫瘍 |
SDC1 |
CD138 |
ヒト細胞 |
多発性骨髄腫 |
CD19 |
ヒト細胞 |
白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫 |
|
MS4A1 |
CD20 |
E. coli |
白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫 |
CD22 |
Siglec-2 |
ヒト細胞 |
B細胞リンパ腫 |
TNFRSF8 |
CD30 |
ヒト細胞 |
リンパ腫 |
CD33 |
Siglec-3 |
ヒト細胞 |
骨髄性悪性腫瘍 |
CD38 |
ヒト細胞 |
急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫 |
|
CD5 |
Leu-1 |
ヒト細胞 |
T細胞性急性リンパ芽球性リンパ腫 |
T細胞活性抗体:T細胞の活性化と増殖
T細胞の操作前に、患者の末梢血から収集されたT細胞を活性化することが必要です。CD3、CD28抗体は、in vitroでのT細胞活性化に広く使用されています。
CD4+T細胞における、ヒトCD28抗体 (Cat. No. 11524-H001) によるIL2分泌率。CD3抗体濃度2µ/mL 下において、CD28抗体のIC50は通常、0.2560 µ/mL である。
ターゲット |
純度 (HPLCによる測定) |
内毒性 (EU/mg) |
品番 |
---|---|---|---|
ヒトCD3 (humanized OKT3) |
>95% | <0.5 | 10977-H001 |
ヒトCD28 |
>95% |
<0.5 |
11524-H001 |
高品質サイトカインの特徴
- サイズ排除カラム (SEC)-HPLC: ≥95%
- SDS-PAGE: ≥95%
- 低い内毒性 < 0.01 EU/μg
- アニマルフリー
- 検証済みの生物活性
- ロット間の均一性
T細胞増殖サイトカイン
品番 |
因子 |
品番 |
因子 |
---|---|---|---|
11848-HNAE |
IL2 |
10584-HNAE |
IL21 |
10015-HNAH |
GMCSF |
10602-HNAE |
TNFa |
10360-HNCE |
IL15 |
10605-HNAE |
EGF |
10395-HNAE | IL6 |
11725-HNAS |
IFN-gamma |
11821-HNAE |
IL7 |
11846-HNAE |
IL4 |
CT011-H08H |
IL12 |
T細胞関連サイトカイン ELISAキット
サイトカイン検出は、CAR-T細胞の効力検証をする主な方法の1つであり、腫瘍免疫微小環境の研究にも有用です。 当社の90%以上のELISAキットは、コントロールとして真核生物系で発現されている組換えタンパク質を使用しています。すべてのELISAキットは、効果的かつ信頼できる研究結果を保証するために、precision(精密)、recovery(回収)、range(範囲)、the limit of detection (LOD:検出限度)、stability(安定性)、natural sample test(自然なサンプルテスト)、cross-reactivity(交差反応性)、 interference(インタフェア)の8つの品質管理基準に厳密に従っています。
以下、一部の取り扱い商品です。
因子 |
品番 |
サンプル |
検出限界 (pg/mL) |
範囲 (pg/mL) |
---|---|---|---|---|
TNF |
KIT10602 |
PBMC 上清 |
11.96 |
23.44-1500 |
IFNG |
KIT11725A |
PBMC 上清 | 6.5 |
13.28-850 |
IL4 |
KIT11846 |
PBMC 上清 |
2.54 |
10.94-700 |
IL6 |
KIT10395A |
血清、PBMC 上清 |
0.69 |
3.13-200 |
IL10 | KIT10947 |
PBMC 上清 | 14.37 |
23.44-1500 |
CSF2 |
KIT10015 |
PBMC 上清 |
2.04 |
7.81-500 |
CXCL9 |
KIT10888 |
血清 | 11.96 |
23.44-1500 |
CCL2 | KIT10134 |
血清、尿 | 1.9 |
3.91-250 |
IL13 |
KIT10369 |
PBMC 上清 |
0.59 |
4.69-300 |
IL7 |
KIT11821 |
PBMC 上清 |
1.89 |
6.25-400 |
T細胞フローサイトメトリー(FACS)抗体
フローサイトメトリーはCAR-T細胞の効力と成分を決定する重要な方法の一つです。したがって、FACS用抗体の品質は、実験結果に直接影響します。 Sino Biological社は、さまざまなT細胞関連FACS用抗体を開発しています。ほとんどの抗体は真核生物系で発現される組換えタンパク質によって免疫化されています。実験におけるFACS抗体の影響を回避しつつ、高い特異性、親和性および優れたS/N比を示します。
以下、一部の取り扱い商品です。
因子 |
抗体名 | 標識 | 抗体タイプ | ターゲット |
---|---|---|---|---|
CD3E |
CD3e / CD3 epsilon Antibody |
APC, PerCP, FITC, PE |
Mouse MAb |
ヒト |
CD4 |
CD4 Antibody |
APC, PerCP, FITC, PE |
Mouse MAb |
ヒト |
CD8A |
CD8/CD8 alpha/Leu-2 Antibody |
APC, FITC |
Mouse MAb |
ヒト |
IL-18R |
IL18R1 Antibody | APC, FITC, PE | Mouse MAb |
ヒト |
CD26 |
DPP4 / CD26 Antibody | PE, APC, FITC | Mouse MAb |
ヒト |
TNF-α | TNF-alpha / TNFA / TNFSF2 Antibody | FITC |
Mouse MAb |
ヒト |
TNF-α | TNF-alpha / TNFA / TNFSF2 Antibody | APC, FITC, PE | Rabbit MAb | ヒト |
IFN-gamma | Interferon Gamma/IFN gamma/IFNG Antibody | APC, PerCP, FITC, PE | Rabbit MAb | ヒト |
CD45RA |
CD45RA Antibody | FITC, PE | Mouse MAb |
ヒト |
CD62L |
CD62L / L-Selectin / SELL Antibody | APC, PerCP, PE | Mouse MAb |
ヒト |
レンチウイルスベクター増殖用トランスフェクション試薬
CAR-T細胞療法において、レンチウイルスベクターは、 CARをT細胞に形質導入するために広く使用されています。Sinofection®トランスフェクション試薬(Cat. No. STF02)は、レンチウイルスベクターを効率的にトランスフェクトするのに最適です。組み換えされたレンチウイルスのTCID50は、10 7にも達します。
品番 | 商品名 |
---|---|
STF02 |
Sinofection®Transfection Reagent |
スーパーヌクレアーゼ (Supernuclease)
スーパーヌクレアーゼ(Cat. No. SSNP01)は、レンチウイルスベクター増幅の過程において、DNA不純物の除去に使用することができます。スーパーヌクレアーゼのHPLC純度は99%以上です。以下に示すように、主要ブランドと同等のDNA分解率を誇ります。
品番 | 商品名 |
---|---|
SSNP01 |
Supernuclease |